1869年5月21日、京都市に日本初の小学校「上京第二十七番組小学校」(のちの柳池小学校)と「下京第十四番組小学校」(のちの修徳小学校)が開校した。
当時の京都は、上京・下京に学区にあたる「番組」という行政区画が置かれていたため、「番組小学校」と呼ばれていた。
この年の京都では、上京第二十七番組小学校の創設者・熊谷直孝(創業350年のお香や和紙の専門店「鳩居堂」の主人)をはじめ、多くの人々から寄付や献金が集まり、年内に64の番組すべてに小学校が開校した。
国が「学制」を定める3年も前のことであった。
京都はなぜこれほど早く、しかも多くの小学校を開設できたのか。
それは明治新政府による東京遷都で、京都の衰退を危惧した人たちが、教育によって近代都市へ生まれ変わろうとした意図があったからだと思われる。
「柳池小学校」は戦後の新学制によって「柳池中学校」となり、統廃合を経て2003年に「京都御池中学校」となったが、その敷地内に「日本最初小学校」の石碑が建てられている。
わずか155年前なのか、もう155年前なのだろうか。