「日々一献に偽りあり その2」
毎日夜遅く帰ってきて、翌日を気にしながら急いで飲む。なんと無駄なことをやっているのだろう。我ながら呆れた。
無理して毎日飲む必要があるだろうか?あるわけがない。
だが、習慣とは恐ろしいもので、飲まずに寝られる気がしない。40年も毎日飲んできて、果たして飲まずにいられるだろうか。
もし、飲まずにいられないとするなら、それは立派なアルコール依存症だ。
よし、と思った。
試しに酒をやめてみよう。やめられればそれでよし。もしやめられなかったら、それは病気なのだから病院に行こう。そう決めた。
2016年3月26日。
この日を境に酒をやめた。
ところが。
拍子抜けするほど簡単にやめられた。
タバコをやめるには塗炭の苦しみを味わったが、酒はすんなりやめられてしまった。最初のうちは夜の時間が口寂しくてアイスクリームを食べていたが、それもやめてしまった。
なんだ、酒なしでも生きられるじゃないか、少し大袈裟にいうとこんな感じだ。
でも、またそこで考えた。そもそも身体に不調があってやめたわけではない。他にやめなくてはいけない理由もない。
ならば、落ち着いて飲める日には飲めばいいではないか。週末や休前日、何かの会で飲みたくなったら飲めばいい。ストイックに禁酒する必要はないのだ。
そう思ったら、無性に嬉しくなってきた。
今は週3日程度飲むのをとても楽しみにしている。
飲まない日を作ることの効果は絶大で、今まで以上に酒を飲むのが楽しみになった。
このブログのタイトルは「日々一献」だが、そんなわけで、正確には2日に一献程度だ。ただし、実際には飲まなくても、飲む日を楽しみにあれこれ考えている「脳内一献」の日もあるので、ここはお許しいただきたい。
これからも日々一献、書き続けようと思う。