1978年2月17日、北海道幌加内町母子里(もしり)で日本最寒の記録となる-41.2℃を観測した。
正式な日本最寒記録は、1902年1月25日に観測した旭川市の-41.0℃となっていてこのコラムでも書いたのだが、気象庁の測候所が記録と認定した場合のみが正式な記録となるため、母子里の記録は認定されず、この日は「天使の囁き記念日」という美しい名前の記念日となった。
「天使の囁き」とは、マイナス20℃以下になると空気中の水蒸気が凍ってできる氷の結晶「ダイヤモンドダスト」を指している。
ダイヤモンドダストで連想するのは、松任谷由美の「ダイヤモンドダストが消えぬまに」という名曲だ。1987年にリリースされた同名のアルバムに収録されている。
この曲は南半球でのクリスマスを舞台に描かれており、海に潜る恋人同士が吐く空気を幾千もの泡と捉え、ダイヤモンドダストに見立てているのだ。
しかも、その恋は儚く、ダイアモンドダストの泡をシャンパンの泡のようにも例えている。
天才詩人、ユーミンの成せる技だ。
ダイヤモンドダスト、天使の囁き、立ち登る海の中の泡、シャンパンの泡の輝き、
2月17日という日が輝く。