1958年3月30日、東京の明治神宮外苑に「国立霞ヶ丘陸上競技場」が完成し、落成式が行われた。
今となっては、旧国立競技場ということになる。
その前身は「明治神宮外苑競技場」であり、1924年に東洋一の本格的な陸上競技場として、青山練兵場跡地に建設された。
それが、1958年5月に「第3回アジア競技大会」が東京で開催されることになり、そのメイン会場として新設されたものだ。
竣工当時の収容人数は48000人、その後1964年の東京オリンピックのメイン会場となるため大幅に拡張されて最多の71000人の収容人数となった。
東京オリンピックの開会式で使用されることになり、聖火台が設置され、メインスタンドの屋根付き部分の両端には、相撲の神である野見宿禰と、ギリシャ神話の勝利の女神であるニケの壁画が描かれていて、旧国立競技場の大きな特徴でもあった。
僕は大学進学以降、毎年のラグビー早明戦などで訪れることが多く、憧れの地を踏んだことに感激していたが、まさかサラリーマン人生の後半に東京ヴェルディの主催ゲームを開催する立場になって、そのロッカールームや貴賓席などに出入りする立場になるとは想像もできなかった。
新しい国立競技場も素晴らしいが、やはり我々の世代にはあの「国立霞ヶ丘陸上競技場」が様々なスポーツの聖地であったことは、紛れもない事実だ。