1964年4月6日、NHKで子供向けの新しい番組の放送が始まった。
人形劇「ひょっこりひょうたん島」だ。
時代は半年後に東京オリンピックを迎える頃で、戦後からの復興がピークに達するかという時代だった。
放送時間は平日の17時45分からの15分、子どもたちが夕食を待ちながらテレビの前に座ることができるひとときだった。
実はそれ以前には「チロリン村とくるみの木」という人形劇が放送されていた。
でも、僕と同じ世代の人たちには、絶対的に「ひょっこりひょうたん島」派が多いはずだ。何故なら、もちろん始まった時に僕が8歳を迎える年だったという巡り合わせもあるが、やはりストーリーが子どもたちの冒険者であったことが大きいと思う。
サンデー先生と5人の子どもたち(チャッピ、ダンプ、プリン、テケ、博士)は遠足でひょうたん島にやってきて、そこで火山の噴火に遭遇し、ひょうたん島が漂流を始めるとい大冒険物語だからだ。
実に個性豊かな登場人物が次々に登場し、子どもたちは世界を漂流しながらいろんな出来事に巻き込まれていく・・・
原作者の井上ひさしと山元護久は主題歌でこんな詞を書いた。
苦しいこともあるだろさ
悲しいこともあるだろさ
だけどボクらはくじけない
泣くのはいやだ 笑っちゃおう
この歌詞が、この物語のすべてを表現していると思う。
「ひょっこりひょうたん島」は、1969年まで日本中の子どもたちに元気と勇気をくれた。