二百十日とは雑節のひとつで、立春から数えて210日目を指す。今年は8月31日だ。
農家の三大厄日(八朔=8月1日、二百十日、二百二十日)であり、台風が来て天気が荒れやすいと言われている。
夏目漱石には「二百十日」という小説があるし、宮沢賢治の「風の又三郎」で又三郎が現れるのが二百十日でもある。
昨日の話題とした富士山レーダーは、そもそも伊勢湾台風(1959年)による甚大な被害がその設置の原点にあった。
当時、日本のレーダによる気象観測は無力同然だった。1954年に大阪管区気象台に気象レーダーが導入されたが、1959年までに配置されたレーダーは、大阪に加えて福岡、東京、種子島、奄美大島の5か所に過ぎず、そのすべてが平地であったことも影響し、地球湾曲の影響を受けたレーダーによる探知距離は最大で300km程度だった。
台風の速度はまちまちだが、例えば時速100kmという猛烈なスピードの台風の場合だと、探知から上陸まで3時間ということになる。
南海上で発生する台風を24時間以上前に探知するには、地上4000mの高さにレーダーを設置するしかなく、日本には富士山山頂しかなかったからだ。
現在は、気象衛星ひまわりが我々に様々な情報をもたらしている。
自然との共生は大切である。