壮絶な人生であった。
僕が愛する小説、「今夜、すべてのバーで」の作家であり、異彩を放ちながら駆け抜けたマルチクリエイター・中島らもの人生だ。
灘中には150人中8位の成績で入学、しかし勉強以外の趣味に没頭するあまり、灘高卒業時は授業もテストも受けることなく卒業したという。
予備校時代も大阪芸術大学生時代も、ありとあらゆる体験(そう思える)をし、それがのちの多くの受賞作品につながる人生だった。小説だけでなく、エッセイも、戯曲も、コピーも、楽曲も、なにもかも。
前述の小説は、第13回吉川英治文学新人賞と第10回日本冒険小説協会大賞特別大賞を受賞している。
らもは、2004年の今日、飲食店の階段から転落したことが原因で52歳の生涯を閉じた。
その3年後、妻の中島美代子が綴った本がある。
「らも 中島らもとの三十五年」、らもファンならずとも、一度は読んでみて欲しい。
破滅型の人生だったが、才能あふれる芸術家でもあった。