2010年6月13日、小惑星探査機「はやぶさ」は宇宙空間60億キロ、7年間の歳月をかけたミッションを成し遂げ、地球に奇跡的な帰還を果たした。
「はやぶさ」が小惑星「イトカワ」から持ち帰ったカプセルには、微粒子などのサンプルが確認され、地球と月以外の天体の表面から直接得られたサンプルとしては世界初の快挙となった。
また、はやぶさは最も長い期間を航行し、2592日をかけて地球に帰還した宇宙機としての世界最長記録を誇った。
2010年12月20日、天皇誕生日に先立つ記者会見で、上皇昭仁陛下は、
「小惑星探査機『はやぶさ』が小惑星『イトカワ』に着陸し、微粒子を持ち帰ったことは誠に喜ばしい今年の快挙でした。一時は行方不明になるなど数々の故障を克服し、ついに地球に帰還しました。行方不明になっても、様々な工夫を重ね、ついに帰還を果たしたことに深い感動を覚えました」と述べた。
また、上皇后陛下は、
「その帰路に己れを焼きし『はやぶさ』の光輝(かがや)かに明かるかりしと」という和歌を詠んだ。
「はやぶさは」カプセルを分離したのち、最後に地球を撮影するミッションを行ったのち、6月13日22時51分ごろ、大気圏に再突入し、流星のように輝きながら無数の破片に分解し、やがて燃え尽きた。
写真はその様子だ。
あれから、もう14年の時が経つ。