1983年6月3日、プロ野球・阪急ブレーブスの福本豊が通算939個目の盗塁を決め、当時の世界記録を樹立した。
「世界の盗塁王」と呼ばれた福本豊は、1947年大阪の生まれ。大鉄高校では甲子園出場も果たし、社会人野球の松下電器を経て、阪急ブレーブスに入団する。
盗塁の才能を早くから開花させ、4年目の72年シーズンには、シーズン106盗塁という大記録を達成する(現在もNPB記録)。
世界新記録を達成したのは、15年目。当時MLBのルー・ブロックが保持していた通算記録を上回り、直後には当時の中曽根首相から国民栄誉賞を打診された。しかし、「立ちションもできんようになる」と記者に語り辞退したのは有名な話。
ちなみに、世界記録はそののちに更新される、 MLBのリッキー・ヘンダーソンが樹立した通算1406個である。
福本豊のすばらしさは、決して盗塁だけではない。
通算2542安打、208本塁打を記録し、ベストナインを10回、ダイヤモンドグラブ賞を12回、(盗塁王は13年連続の13回)獲得している。
2020年、自身が持つ11試合連続盗塁記録をソフトバンクの周東佑京に更新されたが、「周東は塁に出ると、自分もグラウンドにいるような気持ちでワクワクする。本当のプロ」と話した。
福本豊、76歳の今も元気で解説者としての現役生活を続けている。