1689年5月16日、松尾芭蕉が「おくの細道」の旅へ出た。
日本旅のペンクラブが「せわしない現代生活の中で『旅の心』を大切にし、旅のあり方を考えなおす日」として制定した。
「旅」とは、本来はゆっくりと土地を巡ることなのだとは思うが、現代では早さや利便性ばかりを求めてしまいがち。
芭蕉と弟子の曾良の旅は、隅田川から日光街道を北へ進み、下野、陸奥、出羽、越後、加賀、越前など全行程はおよそ600里(約2400km)にも及んだ。
この度に2年という時間を費やした。
この旅の途中、多くの名句が生まれている。
「夏草や兵どもが夢の跡」 岩手県平泉町
「閑さや岩にしみ入る蝉の声」 山形県立石寺
「五月雨をあつめて早し最上川」 山形県大石田町
「象潟や雨に西施がねぶの花」 秋田県象潟町
「荒海や佐渡によこたふ天河」 新潟県出雲崎町
いつか、芭蕉が巡った土地をゆっくりと歩いてみたいと思う前期高齢者の僕であった。
「旅に病んで夢は枯野をかけ廻る」