明治41年秋のこと。当時急速に洋食が盛んになってきたため、洋食の味を「そば」に取り入れてみてはどうだろうか?と考えた男がいた。
研究と苦心の末に、「カレー」を新しい種物として、「そば・うどん」に掛けて「カレー南蛮」、ご飯に載せて「カレー丼」としたと、その店のメニューにはカレー南蛮の由来として書かれている。
その店は、大阪・谷町の「東京そば」、のちに東京に出店した中目黒「朝松庵(あさまつあん)」である。カレー南蛮発祥の店として有名である。
なぜ12月1日が「カレー南蛮の日」になったかというと、この「朝松庵」の2代目店主・角田酉之助の誕生日だからだそうだ。何を隠そう、彼こそがカレー南蛮とカレー丼をこの世に生んだのだ。
現在の店主は、4代目の角田善信氏。
しかし12月1日とは、まさにカレー南蛮が食べたくなる季節。
元祖カレー南蛮、800円なり。
僕には、季節に関わりない好物である。