1976年7月18日、モントリオールオリンピックの女子体操で、ルーマニアのナディア・コマネチが段違い平行棒と平均台の競技で、近代オリンピック史上始めての10点満点を記録した。
その後も、合計7回の10点満点を出している。
コマネチは史上最年少での個人総合優勝を果たし、その純白のレオタードから「白い妖精」と呼ばれた。
もともと、体操競技で満点が出ることは想定されておらず、この時も点数の掲示板には1.00点としか表示されなかった。
その後も、1984年のロサンゼルスオリンピックで森末慎二が種目別の鉄棒で10点満点を出したこともあり、何度も記録としては残っている。しかし、採点基準の見直しなどもあり、今はオリンピックなどの国際競技で10点満点を見ることはほとんど無くなった。
満点というのは、目標ではあっても実際に到達するものではない、ということかもしれない。
それにしても、あの日のコマネチの姿は、今も脳裏に蘇る。