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  薪は乾燥が命
Rakza MAGAZINE

薪は乾燥が命

2020.11.05
DIARY
浜田 正幸

私の住む信州伊那では,気温がすでに氷点下まで下がっています。だから毎日薪ストーブをつけて,ゆらゆらと揺れる炎を見ながら暖をとっています。うちは薪ストーブしか暖房器具がないのでまさに「薪ストーブ様様」です。でもこれで外気温がマイナス15度でも家の中はポカポカになります。

この薪ストーブの燃料はもちろん薪です。仲間と近隣の森林整備をした時に出る間伐材を薪にして,冬のシーズンを乗り切っています。この薪づくりはストーブシーズンが始まる半年ほど前の重要な仕事です。薪はどんな材(樹種)であっても,乾燥していないと燃えません。逆に,乾燥していない薪は煤やタールが煙突をつまらせ,煙突火災を起こしかねない危険な代物です。だから玉切った丸太を割って,夏の高い気温と風を通して,半年間乾燥させる必要があるのです。そうすると薪の含水率は20%程度まで下がり,燃やしても煤やタールはほとんどでないので,ストーブシーズン中は煙突掃除をしなくても大丈夫です。

薪割りはいつも5月のゴールデンウィークまでに完了させます。そうしないと一ヶ月後には梅雨に入って,丸太が水を吸ってしまうし,外で薪割りをすることができなくなってしまうからです。爽やかな春の風を受けながら薪割りをしている時にいつも思い出すのは,イソップ物語の「アリとキリギリス」。連休でどこか外に出かけたいという気持ちを抑えて,ひたすら薪割りをします。「ここで遊んでしまったら,冬をどうするキリギリスになってしまうぞ」と自分を鼓舞しながら,せっせと薪割り。

おかげさまで今シーズンも安心して冬を楽しむことができます。

ところで最近,学生に「アリとキリギリスのキリギリスになってしまうぞ」と言ったところ,「何ですかそれ?」と逆に問われてしまいました。

浜田 正幸
Masayuki Hamada
研究担当教授の浜田正幸です。 日本の『働く』をおもしろくする! 幸福なキャリア研究をお届けします。
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