1996年7月30日、将棋の世界で七冠を独占していた羽生善治が棋聖戦で三浦弘行に敗れ、七冠独占は167日で幕を閉じた。
この時羽生は、「通常に戻れるのでほっとした」と語ったという。
タイトルを同じ年に全て奪取し、維持することはどれほどの緊張を強いられるのだろう。
1937年に名人位が出来て以来、当時のタイトルを独占した記録は升田幸三の三冠、大山康晴の三冠、四冠、5回にもなる五冠と、羽生の七冠、そして昨年八冠を取った藤井聡太しかいない(これは今年6月20日に途切れてしまった)。
国民栄誉賞を授与された羽生善治だが、それは「永世七冠」というタイトルに対してである。
永世称号は、それぞれのタイトルによって連続何期、もしくは通算何期という条件を満たした場合に得られるタイトルで、「永世七冠」ともなればもちろん空前絶後である。
タイトル獲得合計99期という羽生善治だが、昨年100期に王手をかけた周王戦に敗れ、いつ達成されるか将棋ファンには待たれている。
今年9月27日には54歳になる羽生永世七冠だが、まだまだ闘い続け、記録を伸ばしてほしい。