2019年7月8日、政治評論家でありジャーナリストの竹村健一が亡くなった。89年の生涯であった。
大阪の生まれ。神戸大学から学制改革で京都大学に編入し、フルブライト奨学金制度の第1号としてアメリカにも留学する。
追手門学院大学、拓殖大学などで教鞭を取り、文筆活動に入った。
あの髪型、パイプ、「大体やね」と言う口調は独特で、初期のタモリの形態模写のネタともなった。独特のスタイルを持つだけに毀誉褒貶はあったろうが、CMにも起用される人気者でもあった。
日本テレビで放送されていた「竹村健一の世相講談」という番組は、デイリーでありながら7年間続いた長寿番組だった。
わずか1年に満たない期間だが、僕は「世相講談」を1コーナーにしている格好の「ルックルックこんにちは」という番組を担当していて、彼を何度も間近に見る機会に恵まれた。
首相経験者などかなりの大物ゲストが来ても、まったく怯むことなく、打合せもそこそこに丁丁発止とやり合う貫禄は、圧倒的なものがあった。あの頃と比べれば、政治家も評論家もずいぶん軽くなったと感じてしまう。
そういえば、この番組でアシスタントを務めていたのが昨日三選を果たした東京都知事・小池百合子だった。
物怖じしない姿勢の原点は、竹村健一譲りだったのかもしれない。