1972年5月15日、沖縄(琉球諸島及び大東諸島)の施政権がアメリカ合衆国から日本に返還された。
それにより、この日は沖縄本土復帰記念日と呼ばれている。
あまり政治的な話をするつもりはない。
ただ僕は、本土復帰の1年前にユネスコの親善使節として那覇を訪れている。
京都教育大学附属中学と那覇中学の交流のためだったと記憶している。
一時旅券を取得し、1ドル360円だった為替で両替し、鹿児島らから船で向かったのだと思う。
沖縄の中学生は魅力的で、お互いの文化を交歓した。
僕の記憶に鮮烈なのは、やはり「島唄」と呼ばれる沖縄の歌だった。
琉球音階はド・ミ・ファ・ソ・シ・ドの5音が中心であり、また独特の方言も加味された歌に、衝撃を受けた記憶がある。
那覇中学の学生が歌ってくれた「てぃんさぐぬ花」という歌は、僕の音楽の奥底に今もたしかに流れ続けている。
まったく異なる文化のもとに生まれた旋律=メロディは、当時の僕に圧倒的な印象を与えた。欧州のクラシックや、ビートルズをはじめとするポップスの衝撃を、はるかに超える経験だった。
今も沖縄は大好きで、あの地で暮らしあの歌を歌い泡盛を飲む生活に憧れることしばしである。