1894年10月5日、庚寅新詩社が日本初となる本格的な時刻表「汽車汽船旅行案内」を出版した。福沢諭吉の勧めにより、手塚猛昌が発行したものだ。
現在の時刻表の基礎となっている。
「鉄道ファン」が多くいるように、「時刻表ファン」も少なからずいるようだ。
古い時刻表の復刻版が今も販売されているとこを知って驚いたものだが、かつての乗換などを思い描きながら、昔の鉄道ダイヤを懐かしむ人がいるのだという。頭の中で旅ができる、ということだろう。
かつて、国鉄がJRになる時に「国鉄スペシャル」という特別番組のディレクターを担当したことがあるが、その時に会った国鉄のダイアグラムを作る人の緻密さは凄かった。分単位だと思っていた出発や到着時刻は、実は15秒単位であったし、立体交差を行き交う列車のことも正確に把握し、お召し列車(天皇陛下の列車)の上を他の列車が通過しないようになど、信じられない緻密な作業だった。
しかしながら、それだからこそ松本清張の「点と線」などのミステリーが成立するのだと感じたものだ。
日本の鉄道は間違いなく世界一だ。