1949年1月26日、奈良県斑鳩町の法隆寺金堂から出火し、国宝の12面壁画の大半が焼損した。
当時、法隆寺伽藍はいわゆる「昭和大修理」が進められており、金堂は半解体されており、壁画の模写を行っている作業の中での出来事だった。
出火の原因は特定されていないが、壁画模写の画家が使っていた電気座布団や蛍光灯が火元という説、また放火説などもあった。
この火災後まもなく、国家消防庁長官(現総務省消防庁長官)は文部次官にあてて「国宝建造物等の防火体勢強化について」との通達が送られ、火災の原因を調査するとともに、現存する国宝の防火体制を検討することになる。
そして火災から6年後の1月26日に、この日を「文化財防災デー」とすることが定められた。
焼損した壁画は、国宝の中でも極めて価値の高いものとされているが、その理由は?
その第一は、巨大壁画であるということ。全12面のうち4面の大壁(だいへき)は幅2.6m、高さ3.1mあり、日本の絵画の中でも最大級のものであり、描かれた仏が非常に大きいということ。
第二は、形の美しさ、線描の正確さがずば抜けているということ。
第三は、1300年前の壁画であり世界に類例が残っておらず、歴史的価値が高いことだという。
焼損してもなお、国の重要文化財に指定されている法隆寺金堂の壁画。
我々はこの日を迎えるたびに、文化財を守り先に伝えていく責任と誇りを考えるべきであろう。