上方漫才の名人といえば、このコンビを語らざるを得ない。
実の兄弟のコンビで、兄のいとしの飄々としたボケと、弟こいしのドスの効いた声のツッコミの抜群の「間」が名人芸だった。
二人の両親は旅回りの芸人一家で、幼い頃から舞台にも立ったようだが、いとしが12歳の時に二人で荒川吉丸の弟子となり、3年後に吉本興業からデビューし、生涯を漫才に捧げた。
Wikipediaの夢路いとしのところには、いとこい師匠のネタが載っている。
いとし ボク、こないだ単車買いましてん
こいし ほうほう
いとし あれは便利なもんですな
こいし そうやねえ、なんちゅうても小回りが利く
いとし こないだも御堂筋を甘い〜甘い〜いうて、そら楽やったで
こいし ちょっと待て、甘い甘いてどんな単車や
いとし ん?甘い〜甘い〜っちゅうて…
あ!スイ〜っとスイ〜っとやったわ
こいし アホか!
1999年には、大阪市が二人の漫才を指定無形文化財に指定した。
夢路いとしは、2003年9月25日に78歳で鬼籍にはいり、いとしこいしは活動を終えた。
そして2021年1月23日、喜味こいしも舞台から降りてしまった。
コンビ名はいとしこいしだが、立ち位置は下手がこいしだった