1992年7月27日、バルセロナオリンピックの競泳女子200m平泳ぎで、岩崎恭子選手が日本人として史上最年少(14歳6日)で金メダルを獲得した。
ところが3年前の東京オリンピックで新競技、スケートボード・ストリート女子で西矢椛(にしやもみじ)が13歳330日で金メダルを獲得し記録を更新したのだ。
記録は更新されるためにある、心から祝福したい。
岩崎恭子に戻るが、競泳女子200m平泳ぎでは1936年ベルリンオリンピックの前畑秀子選手以来56年ぶり、日本女子競泳では1972年ミュンヘンオリンピック100mバタフライの青木まゆみ選手以来20年ぶりの金メダルとなった。
レース後のインタビューでの「今まで生きてきた中で、一番幸せです」という言葉は、強烈な印象を残した。
誰もが予想できなかったこの金メダル獲得は、その後の岩崎の人生を一変させた。一日にしてヒロインとなったが、ストーカーや嫌がらせ電話などの被害も受け、「金メダルなんて取らなければ良かった」と思ったこともあったという。
現在は13歳の女児を持つシングルマザー。JOC事業・広報専門委員や日本水泳連盟競泳委員・基礎水泳指導員を務める。あの少女だった岩崎恭子も、いまや47歳になってパリオリンピックを迎えている。