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  今話題のマインドフルネス
Rakza MAGAZINE

今話題のマインドフルネス

2020.12.09
DIARY
浜田 正幸

「マインドフルネス」,最近よく耳にするコトバです。

このマインドフルネスは「マインドフルネス瞑想」のこと,あるいはそれによって得られる心の状態のことを言っています。

マインドフルネス瞑想は文字どおり瞑想の一種ですが,Googleが企業研修としてはじめたものを特にマインドフルネス瞑想と呼んでいて,アメリカのTech企業に広がって有名になりました。一般的な瞑想と何が違うかというと,宗教色を一切取り払って,科学的に裏づけされた瞑想の手法を用い,この瞑想の指導を受けるのも宗教者からではなく,研修講師のような人から受け,瞑想する場所もヒマラヤの山奥や禅寺ではなく,企業の研修室や会議室で静かに目を閉じるのです。

マインドフルネス瞑想をするとどうなるのでしょう? 色即是空の「無」の境地でしょうか? 答はほぼ Yes です。初めての瞑想や数回の瞑想体験では,無の境地に近づきますが,「無」にはなりきらないと思います。また無に近づくのですがそれはほんの一瞬で,すぐに遠ざかってしまいます。

それでは無の境地とは何でしょうか? 人は起きている間は常に意識がはたらいています。あることを考えるのをやめた瞬間に,別の考えをしています。というよりは,次から次へと新たな考え(意識)が今の考え(意識)を上塗りしていっている状態と言ったほうが実感に近いでしょうか。これをやめたり止めたりすることができないので,心理学者のウィリアム・ジェームスは「意識の流れ」と説明しています。川の流れのように止めどなく,どこかで切り取ろうとしても水が上流からどんどん流れ込んでくるというのです。

ところが,ヒマラヤのリシ(聖者)たちは,意識の鎮め方を知っていました。それが瞑想で,瞑想によって無の境地に留まることができるのです。

こんな例はどうでしょうか。いつもはたらき続けている脳を休ませてあげられたら,どんなに楽だろうかと思いませんか。走り続けている足の筋肉が伸縮をやめて休息した途端,どれほど解放されるか体験したことがありますね。そうです,意識が静まって無の境地になると,脳が休息するのです。休んでいる脳を想像するだけで何だかホッとしてしまいます。この無の境地は脳が休息しているだけではなく,さらに秘めたるポテンシャルがあるのですが,その話は次回にしましょう。

ちなみに私は毎日30〜60分の瞑想を、34年間続けています。

浜田 正幸
Masayuki Hamada
研究担当教授の浜田正幸です。 日本の『働く』をおもしろくする! 幸福なキャリア研究をお届けします。
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