WHO(世界保健機関)が制定した禁煙推進の記念日である。
世界保健機関の設立40周年となった1988年4月7日が「第1回世界禁煙デー」であり、翌年から5月31日に実施されている。
百害あって一利なし、の扱いのタバコだが、喫煙の歴史は古く、かつては宗教儀式や薬効を説かれていたこともあり、必ずしも一方的な悪者ではなかった。
しかしながら、タバコの有害性は古くからも指摘されており、日本でも1900年に未成年者喫煙禁止法が制定されたことをはじめとし、1970年代からは受動喫煙の問題も顕在化し、歩行中や屋外での喫煙に対し規制が行われるようになっている。
昭和30年代から40年代にかけての映画を見ると、特に警察や新聞社などのシーンはタバコの煙が充満する室内が当たり前のように描かれていて、隔世の念を感じる。
噺家が扇子を使ってキセルをあらわすシーン、花魁のあの長い煙管、大工の棟梁が縁側で吸うタバコ、ライターを借りて煙草に火をつけるシーン、マッチの火を消さぬよう手で覆う様子。
そんなものも、そのうちに誰もわからなくなる日が来る。きっと。