1946年1月13日、自由販売たばこ第1号として「ピース」が販売された。それまでのたばこは「配給制」だったということだ。
値段は10本入りの紙箱で7円。発売当初は日曜と祝日限定の販売でひとり一箱の限定であったにもかかわらず、東京有楽町の売店では1000箱を1時間で完売したという。
僕もかつてたばこを嗜んだ時期があるが、確かに味わいの深い、俗にいう「高い香り」を感じたものだ。
「ピース」の箱の紺色は、「ピース紺」と呼ばれ、色年の一時代を築く事になる。
また50本入りの「缶ピース」は、金属製の缶に入ったもので、缶の蓋を取るとアルミ箔で密閉されており、蓋についた金属の爪をアルミシールに刺して回す事によって開封する仕組みで、高級感や大人感を感じさせたものだ。
のちにフィルター付きの「ロングピース」が販売されるが、両切りたばこの口に葉が残る感じが、なんとも懐かしい。
たばこは遠くの存在になってしまった令和の日本である。