1958年4月5日、読売巨人軍の長嶋茂雄が開幕戦の3番サードで先発出場し、プロ野球デビューを飾った。
それに因んで、この日は「デビューの日」とされ、新人にエールを送る記念日となった。
この日の対戦チームは国鉄スワローズで、マウンドには前年まで7年連続20勝の絶対的エースの金田正一がいた。
この対戦で長嶋は4打席連続空振り三振という結果だった。しかも、金田が投じた全19球のうち、バットに当たったのはたったの1球だった。しかし、渾身のフルスイングを続ける長島に満員の観客は魅せられた。
金田の意地の投球であり、金田は生前「長嶋は自信満々だったが、こちらもプロの先輩として絶対負けるわけにはいかなかった。だからキャンプ中から開幕に合わせてコンディションを調整し、徹底的に研究した。自分なりにやれることはすべてやって臨んだ」と語っていたという。
散々なデビューの長嶋だったが、このシーズンでは29本塁打92打点で本塁打王と打点王の二冠を達成し、最多安打も記録、打率と盗塁もリーグ2位、さらにセリーグ初の新人ながら全イニング出場を果たし、堂々の新人王となった。
僕の父は大の阪神ファンだったが、長嶋だけは好きな選手であり、「阪神が勝って長嶋が打つのがいい」とよく話していた。
記録にも記憶にも残る、日本プロ野球史上最高の選手だと断言できる。