「この味がいいね」と君が言ったから七月六日はサラダ記念日
現代短歌の中では最も有名な歌の一つ、俵万智の「サラダ記念日」。
この歌のおかげで今日は「サラダ記念日」となり、しかもいろんな記念日の先駆けともなった。
1987年に発行されたこの歌も含まれる同名の俵の第一歌集は、280万部のベストセラーになった。その新しい感性は、短歌に親しみを持たない若者たちにも支持され、俵は時代の寵児となった。
「与謝野晶子の再来」と言う人もいて、当時は僕も手元に置いて読んだのだが、俳句を嗜む今ならともかく短歌への知識と想いがあまりにも希薄だったため、あまり覚えていないと言うのが正直な感想だ。
そこで、僕が敬愛してやまない松岡正剛が「千夜千冊」の中で推す「天」と「地」の歌で締めたい。
一点に戻らんとする心あり
墨より黒きものは塗られぬ
さくらさくらさくら咲き始め咲き終わり
なにもなかったような公園
日本語は美しい。