安室奈美恵
いまとなっては、まるで夢の中で見たような不思議な存在だった。
1977年9月20日に那覇市で生まれたことはわかっている。
沖縄アクターズスクール出身、SUPER MONKEY’Sのメンバーだった。
ダンスがうまく、歌声も特別だった。
シスターラビッツでも存在感は普通ではなかった。
男の子のようでもあり、妖精のようでもあった。
ソロデビュー後はいきなりオリコンチャート首位となり、ミリオンセラーを連発する。
プライベートでは結婚し、息子を出産し、母親を亡くしていたが、そんな生活感あふれるエピソードが信じられなかった。
数限りないヒット曲を生み出し、ライブでは他の追随を許さない存在を示した。
日本中にアムラーを生み出した。
ほとんどMCの無いそのライブは、まさに完成されたショーそのものだった。
コマーシャルでもその姿を見ない日はなかった。
そして2018年、ラストツアーでは17公演で75万人を動員し、あっさりと目の前から消えてしまう。
本当にアムロが、この世に存在したということが信じられないようにあっさりと。
息子が通う同志社大学がある京都に、住んでいるという情報もあるが、本当かどうかなんて知らなくて良いことだと思う。
安室奈美恵が本当に実在するのなら、彼女は今世界のどこかで47歳の誕生日を迎えているはずだ。
それでいい。