絵本作家として有名な画家、いわさきちひろが亡くなったのは1974年の8月8日のことだった。55歳だった。
福井県武生(現在の越前市)生まれ、子どもの頃から絵がうまかった。
二十歳の時、三人姉妹の長女だったちひろは両親の薦めを断れず婿養子を迎える。そして夫の勤務地の満洲の大連に渡るが、夫は自殺してしまう。
太平洋戦争で母の実家がある長野県松本市に疎開し、しだいに武者小路実篤や宮沢賢治に傾倒し作品を増やしていく。さらに油彩画から水彩画に変わっていく。
日本共産党に入党し、後に弁護士となり衆議院議員となる松本善明と出会い、結婚することになる。
その作品は、儚くも存在感があり、優しくも何かを訴えかけてくる。
没後に東京の練馬に「ちひろ美術館・東京」ができ、さらに長野県安曇野に「安曇野ちひろ美術館」が開館した。ふたつの「ちひろ美術館」は今年、第一回日本博物館協会賞を受賞している。