日本の競走馬の歴史に名馬は数あれど、幅広いファン層に支えられ「怪物」と称された馬がいる。その名は、オグリキャップ。
1987年5月、岐阜県の笠松競馬場でデビューし、12戦10勝(うち重賞5勝)を挙げて中央競馬入り、20戦12勝(うちG14勝)を記録した名馬だ。
2000年にJRAが行った「20世紀の名馬大投票」では、ナリタブライアン、スペシャルウィークに次ぐ3位だったが、競馬会の「殿堂入り」にあたる、たった34頭しかいないJRA顕彰馬の中でも、トップクラスの成績を残している。
オグリキャップはクラシック登録をしていなかったため、皐月賞、東京優駿(日本ダービー)、菊花賞には出場できなかったのが残念でならない。
それでもG1の4勝、中でも最後のレースとなった1990年12月23日の有馬記念では武豊騎乗で臨み、メジロライアンとホワイトストーンを抑えて有終の美を飾り、「奇跡の復活」「感動のラストラン」と呼ばれた。
あの時の16万人の観客の「オグリ」コールは、忘れることができない。
引退後は種牡馬となったが、2006年には種牡馬も引退、余生を送っていたが2010年の今日7月3日、倒れて起き上がれないでいるオグリキャップが発見され、検査の結果右後肢脛骨を複雑骨折しており、安楽死の処置が取られた。
「芦毛の怪物」と呼ばれた灰色のオグリキャップだが、その生涯の最後は真っ白な毛並みだった。