1996年7月30日、将棋の世界で七冠を独占していた羽生善治が棋聖戦で三浦弘行に敗れ、七冠独占は167日で幕を閉じた。
この時羽生は、「通常に戻れるのでほっとした」と語ったという。
タイトルを同じ年に全て奪取し、維持することはどれほどの緊張を強いられるのだろう。
1937年に名人位が出来て以来、当時のタイトルを独占した記録は升田幸三の三冠、大山康晴の三冠、四冠、5回にもなる五冠と、羽生の七冠しかない。
国民栄誉賞を授与された羽生善治だが、それは「永世七冠」というタイトルに対してである。
永世称号は、それぞれのタイトルによって連続何期、もしくは通算何期という条件を満たした場合に得られるタイトルで、「永世七冠」ともなればもちろん空前絶後。
タイトル獲得合計99期という羽生善治だが、なかなか100期には手が届かない。
しかも去年は30期目にしてA級からの陥落や、36年目で初の年度負け越しという記録を作ってしまった。
今年12月には52歳になる羽生永世七冠だが、6月16日には史上初の通算1500勝を達成した。
まだまだ、羽生善治の挑戦は続く。