「冷ゆることの至りて甚しきとなればなり」
これが、暦便覧の大寒の記述だ。
当然、一年で最も寒さが厳しい時期である。
小寒から立春までが「寒の内」であり、暦の上では立春が1年の始まりなのでこの時期は年の終わりを表している。
また、「寒の内」に汲む水を「寒の水」と呼び、この水で仕込む酒や味噌、醤油は不純物や雑菌が少なく、最も美味しくなると言われている。
さらに、心身を清めて修行する「寒垢離(かんごり)」や、武道における「寒稽古」、芸事の「寒復習(かんざらい)」も行われる。
また、一月二十日は「二十日正月」で、正月の祝い納めの日でもある。
京阪神地方では「骨正月」とも呼ばれ、正月に食べた鰤(ぶり)や鯛(たい)の骨や頭を大根などの野菜と一緒に煮て、骨まで食べ尽くす風習がある。
厳しい寒さは骨身にしみるが、ピンと張り詰めた寒さは背筋が伸び、何かに挑戦するような気持ちにもなる。
今年から何かを始めようと思った人もまだ遅くない。
大寒の大々とした月よかな
小林一茶