「土用」は立夏、立秋、立冬、立春の直前の約18日間を言う。さらにその中で丑の日に当たるのが、土用の丑の日となる。去年は夏に土用の丑の日が2度あったが、今年は一度だけ、それが7月28日だ。
一般的に、この日はうなぎを食べる風習がある。
万葉集に、「石麻呂に吾れもの申す夏痩せに よしといふものぞむなぎとり召せ」という大伴家持の歌がある。夏痩せにはむなぎ(うなぎ)を食べるのが良いと、石麻呂と言う人物に勧めている。
これを知ってか知らずか、江戸時代の蘭学者・平賀源内が鰻屋に夏に売り上げが落ち込むうなぎの販売促進を相談されて、丑の日に「う」の字のつくものを食べるのが良い、と鰻屋の店先に看板を立てて、大繁盛させたというのだ。
「『本日丑の日』土用の丑の日うなぎの日 食すれば夏負けすることなし」
源内は発明家であると同時に、コピーライターでもあったという話である。
とはいえ、この日は家持や源内にあやかって、うなぎを食べてみるのも一興だ。