立秋は二十四節気のひとつで、夏が極まり秋の気配が立ち始める日とされる。
しかし京都も東京も夏真っ盛りである。とても残暑とは言いにくい。
秋で思い出す言葉は「白秋」。
北原白秋の名前のもとにもなったこの言葉は、中国の陰陽五行思想で使われた季節を表す言葉で、「青春」、「朱夏」、「白秋」、「玄冬」と色が当てられている。
ちなみに「玄」は黒のことである。
人生100年に当てはめて均等に割れば、白秋は51歳から75歳にあたるのだろうが、どうだろう?
五木寛之の著書の中にはこんな文章がある。
「絵にたとえてみますと、青春はクレヨン画、朱夏が色鮮やかな油絵で、白秋が水彩。そして玄冬は水墨画みたいなものかもしれません。モノトーンの黒色の中に、あらゆる無限の世界がある」
高校野球を見ながら、残暑見舞いの葉書でも書いてみるか。それとも白秋に想いを馳せてみようか。