1948年の今日、歌人の川田潤が弟子の大学教授夫人とともに家出をした。
駆け落ちである。
当時川田は68歳、相手は28歳年下の40歳。この不倫関係は世間を騒がすが、川田は自分の養子に連れ戻されてしまう。しかし、紆余曲折の果てにこの二人は結婚する。
歌人である川田は、
「若き日の恋は、はにかみておもて赤らめ。
壮子時の四十歳の恋は、世の中にかれこれ心配れども、
墓場に近き老いらくの恋は、怖るる何ものもなし」
と「恋の重荷」の序に書き、「老いらくの恋」という言葉が流行したという。
尚、この老いらくの恋は、「虹の岬」という映画にも描かれており、三國連太郎と原田美恵子がこの二人を演じたらしい。残念ながら、いまだに見てはいないがいつか見たい。
誰もが思うのは、68歳だろうが古希を過ぎようが、恋をする人でありたいということではないだろうか。