節分は、立春・立夏・立秋・立冬の前日を意味しており、かつては年に4回行事などが行われていた。それが春だけの行事に転じていった。
季節の変わり目には邪気(鬼)が生じるということで、悪霊ばらいの行事が執り行われ、その代表的なものが豆撒きの行事である。
一般的な掛け声は「鬼は外、福は内」であるが、奈良の金峯山寺では、役行者が鬼を改心させて弟子にしたとの故事があり、「福は内、鬼も内」としている。
ところで今年は、立春が2021年以来月3日になるということで、節分が2月2日になった。立春とは太陽黄経が315度となる日で、日付は年によって異なる。2021年は124年ぶりだったが、これからしばらくは4年に一度くらいの割合で訪れることが予想されている。
京都では、京都大学に近い吉田神社の節分祭が有名である。
平安時代からの宮中の古式に則り、黄金の4つ目の仮面を被り、盾と矛を持った「方相氏(ほうそうし)」が登場し、赤・青・黄の三匹の鬼たちを追い払う追儺式が行われる。
節分祭中の特別神符をはじめ神札なども梔子色(くちなしいろ)に染められているが、この色が古くより魔除けの力があると言われているためである。
今年はせめて福豆を食べて、疫病退散を祈りたい。