1997年11月16日、サッカー日本代表は1998 FIFAワールドカップ・フランス大会のアジア最終予選のイラン戦が、マレーシアのジョホールバルで行われ、延長ゴールデンゴールで勝利した。
この勝利によって、日本は初めてFIFAワールドカップ本戦出場を決めた。
この試合は、「ジョホールバルの歓喜」と呼ばれている。
「ドーハの悲劇」から4年と19日後の出来事だった。
日本は、GK川口、DF奈良橋、相馬、井原、秋田、MF山口、中田、名波、北澤、FW三浦、中山の4-4-2のフォーメーションでスタート。
前半39中田のスルーパスを中山が相手GKの脇を抜いて先制する。
しかしイランは、後半開始わずか25秒にダエイのシュートのこぼれ球をアジジが押し込んで同点。さらに14分、ダエイのヘディングシュートで逆転した。
後半18分、岡田監督は2トップを城と呂比須に交代させるとともに、3バックの積極策に。31分、中田のクロスを城がヘディングでゴール。同点となる。
延長に入る時、トップ下の北澤をFWの岡野に交代。野人・岡野は最終予選で初めての出場となった。
ところが、岡野はGKと1対1の絶好機にゴールを放たず中田にパスしてチャンスを潰し、次にチャンスのシュートはゴールをはるかに超えた。
PK戦が見えて来た118分、中田のミドルシュートをGKアベドザデがはじいたところに岡野が飛び込み、右足でついにゴールを決めた。
岡野がヒーローになった瞬間だった。
岡野はのちに、「これを外したらもう日本に帰れないと思った」と語った。
あの歓喜の日から、もう27年が経つのだ