2020年4月7日17時45分、政府は新型コロナウイルス感染症の全国的かつ急速なまん延による国民生活及び国民経済に甚大な影響を及ぼす恐れがあるとして、新型インフルエンザ等対策特別措置法32条1項に基づく緊急事態宣言を発令した。
それを受け、19時より安倍総理による国民向け記者会見が行われた。
この時点での緊急事態措置を実施すべき期間は4月7日から5月6日まで、区域は埼玉県・千葉県・東京都・神奈川県・大阪府・兵庫県・及び福岡県とされた。
この記者会見で、僕は総理が「緊急事態宣言を発出します」と聞いた。
何故かとても違和感を覚えた。「発出」という言葉に、あまり馴染みがなかったせいだと思う。
政府は、さらに4月16日から区域を拡大し、北海道・茨城県・石川県・岐阜県・愛知県・京都府を加えた。この時も「発出」という言葉が使われたように記憶している。
何故、「発令」ではなく「発出」だったのか、それは明確ではない。
4月8日の新聞各紙の社説では、読売、毎日、日経が「発令」、朝日は「緊急事態を宣言した」、産経は「行った」だった。
一般的な「発令」を使わず、「発出」を使ったところに微妙な気遣いとか忖度を感じたのは僕だけだろうか?
政府と自治体の関係を考えた上の、言葉選びだったのではないか?
「令」は「命令」のイメージが強いからだ。「戒厳令」のように。
より受け取りやすい言葉にするため、また、責任の所在を曖昧にするための官僚の工夫に感じられてならなかった。
よって、Rakza MAGAZINE編集長は、今日を「緊急事態宣言発出の日」と認定したいと思う。
あれからもう4年の月日が経つ。