1956年3月25日、プロ野球の巨人対中日戦で、巨人の樋笠一夫が史上初の代打逆転サヨナラ満塁ホームランを放った。
この日の巨人は中日の投手・大矢根博臣から9安打を放つも、無得点に抑えられていた。しかし、迎えた9回裏、無死一、二塁のチャンスを得る。ここで中日はエース・杉下茂をリリーフに送る。
バッターは広岡達朗、ダブルプレーと思われた当たりを内野手がファンブルし満塁。続く藤尾茂が三振に倒れた時、水原茂監督は、樋笠一夫を代打に送った。
この一死満塁のチャンスで、樋笠は3球目の高めの球を強振。打球は左中間スタンドに入るホームランとなった。
プロ野球の世界でホームランの数は10万本を超えているが、この代打逆転サヨナラ満塁ホームランというのは、これまでに8本しかなく、さらにお釣りなし(つまりきっちり1点差の逆転)となると3例しかない。
上述の樋笠一夫の一発、2001年9月26日に近鉄の北川博敏がオリックスの大久保勝信から打った一発、同年9月30日にオリックスの藤井康雄がロッテの小林雅英から放ったホームランだ。
しかも、この藤井の一発は唯一9回裏二死からの究極の一発だった。