1936年2月26日未明、首都東京で首相や大臣が一部の陸軍青年将校らが率いる約1500名の部隊に襲撃された。
近代日本で最大の軍事クーデター「二・二六事件」である。
被害者は岡田啓介内閣総理大臣と間違われて殺害松尾伝蔵秘書官を始め、高橋是清大蔵大臣、斎藤実内大臣など死亡者9名、重傷者数名に及んだ。
この日を迎えると、かつては「動乱」という高倉健と吉永小百合の映画か、「蒲生邸事件」という宮部みゆきの小説が頭に浮かんできた。
ところが、2019年8月に放送されたNH Kの「全貌二・二六事件〜最高機密文書で迫る〜」が放送されてからは、このドキュメンタリーがいちばんに頭に浮かぶようになった。
事件をリアルタイムで記録した資料はないと言われていたのだが、決起から鎮圧にいたる4日間を記録した「極秘文書」が見つかったことで作られた番組だ。
事件の詳細を文書に残していたのは、何と海軍だったのだ。
しかも、決起部隊の名簿や襲撃対象も掴んでいながら、何もすることなく偵察と記録を続けていたというから驚くばかりである。
戦争に向かおうとする国の、軍部の闇を見たような気がした。
開戦や終戦の日とともに、永遠の戦争放棄を心に刻む日として、この日にはこの番組を見返すことにしている。
尚、この番組はNH Kオンデマンドで視聴可能だ。