慶応4年1月3日、鳥羽・伏見の戦いが始まった。この年(1868年)が戊辰の年にあたったため、一連の戦いを戊辰戦争と呼ぶ。その戦いの意義は、幕藩体制で大名に領地を与えて統治する個別領有権の連合方式と、天皇への中央集権的統合を必然化する方式との戦いであった。
鳥羽・伏見の戦いから江戸開城、東北戦争、箱館戦争(五稜郭の戦い)までを言い、1年半の短い内戦の中で多くの命が失われ、江戸幕府は完全に解体するに至った。
明治維新はクーデターであり、そうであるならばしようがないことではあるが、新選組、彰義隊、奥羽越列藩同盟など、ある日突然、「朝敵」となった武士達の無念はどれほどのものだったろうかと思う。
いずれにしてもこの戦いで武士の時代は終わり、明治維新が実現する。遠い昔のことのようで、実はまだ150年前のことである。
五稜郭に散った土方歳三の時世の句
鉾とりて月見るごとにおもふ哉あすはかばねの上に照かと
戦いは無情である。