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  終戦の日に思うこと
Rakza MAGAZINE

終戦の日に思うこと

2020.08.15
DIARY
田中 尚雅

父は15歳と8か月の時、終戦を迎えた。陸軍少年飛行兵として、各地で飛行訓練を受けていて、本土決戦となれば間違いなく特攻を命じられていたと語ったことがあった。

母は12歳で、台南市で終戦を迎えた。祖父は手広く商売をしていたが、妻と9人の子供達を連れて日本に引き揚げることを命じられた。その際、ほとんど全ての財産を没収された。

空襲は免れた京都の街だが、食料や物資は当然のように枯渇し、生活は困窮を極めたことだろう。

父は母と知り合い、自分の5人の姉や弟、さらに母の11人の一家の生活を支えるために懸命に働いた。

そして、戦後10年を経て、僕は生まれた。

戦争がなければ今はない。戦争が長引いていたら、父も母も生きていなかったかも知れぬ。

終戦の日とは、それを示す日である。

戦いは終わり、全てが始まった日なのだ。

田中 尚雅
Naomasa Tanaka
クリエイティブ部門を担当する田中尚雅です。MAGAZINの編集長でもあります。
社会が幸福になるには、それを構成する一人ひとりの幸福こそが必須です。 そのために、あらゆる方法で人と伴走したいと考えています。
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